ビジネスでは個々の能力はもとより、チームの力が試されることが多くあります。また、「チームの一員」と思えると、やる気が格段に向上するというスタンフォード大学の研究結果もあります。では、チームの力を高めるためには何が必要なのでしょうか?

そこで、「最高のチームをつくること」を会社全体の取り組みとして掲げ、目的や目標を共有し、想いをひとつにすることで、個々の能力以上の相乗効果が生み出す手法「チームビルディング」を積極的に取り入れているIT企業ソリマチ株式会社を取材してきました。

業務内容・経験・立場が異なるソリマチの4名の社員インタビューから聞こえてきたキーワードは、「共有」「連携」「達成感」「誇り」「感謝」... では、その内容をご紹介しましょう。ソリマチ株式会社は、中小企業向けに会計、給与、販売管理といったソフトウェアを企画・開発および全国販売している企業。東京に本社があり、韓国とベトナムにも拠点を置いています。主力製品のひとつが、松岡修造さんのCMで知られる『会計王』シリーズ。簿記や帳簿に慣れていない初心者でも簡単に使える操作性と、丁寧親切なサポートで、多くの支持を得ています。

この『会計王』シリーズに携わる人々に、ソリマチを支える「チームワークの効用」について聞いてみました。

それぞれの得意・苦手を「全体最適」に再構築して最強のチームを作る

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▲SMB事業部 SMB開発部 開発2課 主任技師 本田寛(ほんだ・ひろし)さん

最初に話を聞いたのは、開発部に所属する入社11年目の本田寛さん。主な業務は、システム設計とプログラミング開発を担当。現在はチームリーダーを務め、メンバーの管理も行っているそうです。

── チームリーダーとなった現在とそれ以前とでは、チームに対する見方は変わりましたか?

本田さん:開発するためのスキルはもちろん、『会計王』シリーズでは簿記や税制の知識も重要です。入社したころは仕事を覚えることで精一杯でした。でも、チームのメンバーとして一緒に開発に携わっていくうちに、いろいろなことを経験させてもらったことが役立っていると思います。

例えば、会計ソフトは消費税率の改定や申告書の変更など最新の税制改正に合わせて迅速に対応する必要がありますが、自分が担当している機能の品質が不安定だったときに、先輩や上司が代わりにやるのではなく、ともに寄り添ってアドバイスをしてくれたことで解決できたことがありました。今は後輩に教える立場なので、"答えそのものではなく、答えに辿りつくための考え方や道のりをレクチャーすることが大切"なんだと、そのときのことを思い出して実践しています。

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最新バージョン『会計王 16』では、消費税率10%への引き上げも見越して対応。最大15カ月無償の電話サポートや、万が一の時に備えデータをウェブ上にバックアップできる「安心データバンク」など、おトクで便利な「個人事業者&法人 全力応援キャンペーン」を実施中。安心して会計業務を行うためのバックアップ体制を整備している。

本田さん:ソリマチでは、チームワークを深めるために「チームビルディング合宿」を行っています。これは全国の拠点から集まった社員約200名が部署・役職・年齢・地域を超えた21チームに分かれ、「最高のチームをつくる!」をテーマに各チームが目標や役割分担、ルールなどを決めてスポーツやパーティー、レクリエーションなどの活動を行います。普段なかなか接することのない社員ともお互いに励まし合ったりして、みんなが力を合わせることで、より大きなチーム力が育まれていくこと体感しました。

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日頃、チームリーダーとして、開発メンバーにどのような役割を担当してもらうかを考える際には、誰でも得手不得手があるのだから、視野を広く持ち、個々の特性を見極めて得意なことを担当することで「全体最適」を目指すことを心がけています。これも「チームビルディング合宿」の経験から学んだことです。

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── 本田さんにとってのチームとは?

本田さん:ソリマチは「お客様の喜びを喜びに」をブランドスローガンに掲げています。この言葉には、文字通りのお客様に加え、社内で一緒に働く仲間たちの喜びも大切にする意味も含んでいます。もちろん、お客様に信頼して使い続けられる製品をつくり喜んでいただきたいですが、チームのメンバーにも達成感を味わって欲しいし、共有したいと思っています。ですので、外部顧客・内部顧客という目線に立って、チームのメンバーもお客様だと意識してこれからも取り組んでいきたいと思っています。

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ユーザーに最も近い場所からチームに「声」を届けることも仕事

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▲ソリマチサポートセンター 会計王チーム 外山未佳(とやま・みか)さん

『会計王』は2013年、2014年と2年連続で会計ソフトのお客様満足度でナンバーワンを獲得しています。その背景には、電話サポートをはじめとして、ソリマチが磨き上げた万全のサポート体制がありました。

お話を聞いた外山未佳さんは、『会計王』『みんなの青色申告』のサポートを担当する入社3年のオペレーター。サポートチームは、主任・副主任・オペレーターで構成され、外山さんは最前線の電話対応などを行っているそうです。

── ソリマチのオペレーターは、すべて社内の専任スタッフで行っているそうですが、どのような研修を行っていますか?

外山さん:入社すると簿記の研修にはじまり、製品研修、電話のやりとりを聴くモニタリング、応対練習などを約2カ月間みっちり行います。ただし、お客様からのお問い合わせは多種多様にありますので、基本的には"習うより、慣れる"ことが大事なことだと思っています。

── お客様対応に「慣れる」には何かコツみたいなものがあるのですか?

外山さん:電話での対応ではお客様の表情がわからないので、声を読みとって、何がお悩みなのかを理解するために、お話をよく聞くようにしています。また、困っている、急いで解決したいなど、お問い合わせの内容に加えて、お客様のお気持ちにも応えなくてはいけないので、簿記や会計に多い専門用語でも、素早く的確に、わかりやすい言葉で対応するように心がけています。

製品の操作方法などについては、チームのメンバーにより違いますが、私の場合は共通の資料に加えて、自分が苦手だと感じていることをノートにまとめて自分専用の資料を作成して、すぐにわかるように手元に置いたりしています。

ただ、Windowsのバージョンによって操作画面が違うなど、これさえあれば充分だということではないので、通話中に困ったら上司や隣の席のオペレーターに相談したり、チームのメンバーで助け合って対応しています。

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── そうしたチームの連携ということで行っていることはありますか?

外山さん:最近よくあるお問い合わせ内容や気付いたことをメールで配信して共有したり、この時期であれば確定申告や決算に関する内容が多いので、メンバー全員で操作を見直したり、毎週木曜日には毎回テーマを決めて資料をつくり発表する朝のミーティングを行っています。

また、私たちオペレーターがお客様から受けたご要望の内容は随時入力していますが、その後にリーダーがそれを集約して、定期的に他部署の開発部などにフィードバックしています。

こうして共有したお客様のご要望が製品開発にいかされた事例としては「取引摘要辞書登録」の「置換機能」があります。この「取引摘要辞書登録」はお客様の業種や職業によって新規に仕訳入力時の取引内容と勘定科目や消費税率をセットで登録できる機能ですが、昨年の消費税率改正時には、登録済みの摘要辞書の消費税率をExcelやWordのように一括で8%に置換できるようになり、お客様にも大変喜んでいただきました。

── 外山さんにとってのチームとは?

外山さん:ソリマチの経営理念に「人のできない、人のやらない、世の中のためになることをやる」という大事な言葉があります。私は人の役に立てる仕事に就きたいと思ってこの会社に入社したので、お客様に最も近い存在であるサポートセンターのメンバーとして、いただいた多くの声を会社というもっと大きなチームへ届けることも仕事のひとつなのかなと思っています。

ランチミーティングの「それいいね!」から新発見が生まれる

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▲SMB事業部 流通営業部 流通営業1課 鹿島健太郎(かしま・けんたろう)さん

流通営業部の鹿島健太郎さんは、全国にある家電量販店やネットショップなどを通じて『会計王』シリーズなどのソリマチ製品を広く知ってもらい、新規のお客様を開拓することが求められる入社3年の若き営業マンです。自分が担当するエリアでの売上げが数字ですぐに表れるシビアな仕事ですが、得意の会話術で奮闘しているそうです。

── ひとりでの外勤が多いそうですが、チーム内のコミュニケーションはどのように?

鹿島さん:お店の売場はひとりですが、帰社後は極力話し合いの場を持つようにしています。もし課題が出てきた場合は、自分で抱えずに相談をする。そうすると、同じ経験をしたメンバーの成功事例をヒントに解決策を見つけることができます。チームが一丸となって目標に向かって進んでいく意識をメンバー全員が共有できているんだと思います。

また、毎週1回、チームのメンバーが顔を揃えて同じ弁当を食べながら雑談するランチミーティングを開いています。実は、面白い意見が出ると「それいいね!」と親指を立てながら腕を前に突き出すポーズをするのが社内の習慣になっていて、食べながら、話しながら、「それいいね!」を連発するんです。多少遊んでいるようにも見えますが、ポジティブな気持ちになり、何気ない会話の中から新しい発見や気づきが見つかるので楽しみながら参加しています。

── 鹿島さんにとってのチームとは?

鹿島さん:ソリマチには私のような若い営業マンが多いんですが、上司が「とりあえずやってみろ。もしダメだったら一緒に検証して次につなげよう」と言ってくれるので、チャレンジしやすい環境を与えてもらっています。

チームとして、メンバーとして、これからもお互いを補いながら、足りないことを吸収して、高め合っていければと思います。その意味で同じ目的・目標に向かって「絆」のようなものが強いのがチームなのかなと感じています。

自己中心的な「グループ」ではなく視野の広い「チーム」に

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▲SMB事業部 統轄マネージャー 五十嵐武彦(いがらし・たけひこ)さん

最後は、東京と新潟、そしてベトナムにある開発チームを俯瞰的に管理した経験を持つ五十嵐武彦さんに、チームワーク力についてマネージャーの立場から話していただきました。

── 管理者としてチームをまとめあげることで気をつけていることはありますか?

五十嵐さん:開発者として自分たちの製品をより多くのお客様にご利用いただくには、誰もが使えるように広い視野で製品を作っていかなければいけないと思っています。その広い視野・視点こそが、チームをまとめることやチームのメンバーのモチベーションを高める大きなポイントだと思っています。

そう思ったのは、以前、製品企画のプロジェクトに参加したときでした。「開発が遅れているのでなんとかして欲しい」「こういうものをつくったので売って欲しい」と開発の立場で発言するとよく怒られました。「開発の立場で参加してもらうけど、目線を広げて他の部署のこともちゃんと考えて参加してくださいね」と。

そのとき、"自分のことだけを考えていたら、それはチームではなく、ただの集まり、グループなのだな"と思いハッとしました。

この経験がマネージャーとなってとても役立っています。例えば、新しく開発のチームに入ったメンバーがいれば、採用した人事や研修の担当者からヒアリングをして、どういったことが得意なのか、強みなのかを確認しています。また、実際に本人と話してみると本音が出たり、表情やジェスチャーなどで多くの情報を感じることができます。そこで得たことを開発チームの人事やシフトの参考にしています。

製品づくりで言えば、エンジニアの世界では「最短距離で進みなさい」とよく言いますが、回り道をしてでも与えられた時間をフルに使って一番よい方法を探すべきだと私は思っています。最短距離で進むとその距離の分だけしか成長できません。効率や記録を競っているわけではないので、そこを勘違いしないように伝えています。チームワーク力とは、チームが機能してこそ発揮されるものですからね。

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▲社内にはCMキャラクターをつとめる松岡修造さん直筆の書が掲げてある

── 五十嵐さんにとってのチームとは?

五十嵐さん:私は趣味で子どもの野球チームでコーチをしているんですが、いつも「野球をしているプレイヤーだけが楽しんでいてはだめだよ」と話しています。例えば、スタッフや両親、応援してくれる人たちも楽しめるようになってはじめて、自分たちの楽しみになると思うからです。

同じように、課題を克服して良い製品が完成しても、開発チームのメンバーだけで「よかったよかった」と自分たちだけで喜んでいたら、私としてはチームの仕事とは言えません。

製品に関わったすべての人たち、さらにはお客様からも「いい製品ができたね」と言ってもらえるようになって初めてチームの力が発揮されたのかなと思っています。お客様はチームのメンバーではありませんが、野球やサッカーのチームとサポーターの関係のように、チームの一員だと思うぐらいの気持ちで仕事をすべきです。そのために、もっと外に広く目を向けたメンバーが育ち、チームワーク力が高められればと思っています。

グループではなくチーム── 単なるチームではなく"機能する"チームになることが、メンバーを育て、チームワーク力そのものを育てる大きな原動力になるようです。

あなたは、そばにいる人のことをどれだけ理解していますか? 他の部署の人たちと語り合っていますか? エンドユーザーの顔が思い浮かびますか? 終わることのない最高のチームを目指して、まずはメンバーである自分から何をすべきか考えてみるのもいいかもしれません。

★『個人事業者&法人 全力応援キャンペーン』

最新版の『会計王16』を新規購入された方を対象に、5つの特典が用意されています(9月30日までの期間限定)。

  • 購入後の「電話サポート」が最大15カ月無償。
  • 「次期製品が無償」で提供されるので安心。
  • 「会計実務解説本」や「消費税攻略本」で初心者にやさしい。
  • 全国の会計事務所をご紹介する「みんなの税務顧問」で個人事業者が将来、法人化する場合も心強い。
  • もれなく10,000円キャッシュバック

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経理・会計処理ソフト「会計王16」ソリマチ株式会社

(香川博人)