職場でのモチベーションは、自分が周囲にどう認識されているかによって、大きく左右されます。最近実施された研究から、人と協力して仕事をする際に、チームの一員として扱ってもらえるとモチベーションが上がることがわかりました。それは、物理的に離れていても同じだそうです。スタンフォード大学は、チームとして共同作業を行なう人々の精神状態に「社会的てがかり」がどのような影響を及ぼすかをテーマに、異なる5つの実験を数週間にわたって実施しました。

例えば、2つのグループの全員が各自別室に入って課題に取り組む実験では、1つのグループには、他のメンバーも同じ問題を「ともに」解くのだと伝えて心理的な一体感を与え、もう1つのグループには他のメンバーも同じ問題を解くとだけ伝えました。すると、パートナーもしくはチームの一員として「ともに」課題に取り組んだグループのほうが、難しい問題にも粘り強く挑み、高い関心を寄せ、飽きることなく安定して取り組み、高い集中力を発揮したことがわかりました。研究の論文共著者であり、スタンフォード大学で心理学を研究するGregory Walton教授は次のように説明しています。

我々の研究から、同じタスクであっても、それぞれ個別に取り組んでいると思わせるより、1つのタスクにともに取り組んでいると思わせる社会的手がかりがあるだけで、やる気が大きく刺激されることがわかりました。

グループプロジェクトが必ずしも、意見の対立が生じる、精神的に負担の大きい作業だというわけではありません。チームの仲間を、プロジェクトに欠かせない存在だと考えて接すれば、コミュニケーションも共同作業も、はるかに楽になることでしょう。

Cues of working together fuel intrinsic motivation|Journal of Experimental Social Psychology via Stanford News

Patrick Allan(原文/訳:遠藤康子/ガリレオ)

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