良くも悪くも、人の第一印象は見た目で決まるもの。ビジネスパーソンの場合は、それが社内での評価やクライアントの好感度、ひいては仕事の成果に直結することもあります。

けれど、容姿が大事などという話ではなく、キーワードは「清潔感」。

今回は、俳優の永野芽郁や松下洸平、郷ひろみなど数多くの著名人を担当し、ライフハッカーの人気連載「30代からのケアのトリセツ」筆者でもあるヘアメイクアップアーティストのKUBOKIさんにインタビュー。

ビジネスパーソンにとっての「身だしなみ」の重要性について教えていただき、またそのために必要なグルーミングツールとして貝印の「AUGER®」を実際に使ってもらいました。

身だしなみは「清潔感」というビジネススキル

KUBOKIさんは、身だしなみについて「ビジネスパーソンにとって必須ともいえる清潔感のスキル」と語ります。

身だしなみは「相手に与えるネガティブな印象を0にする」ための、なくてはならない作業です。

たとえば、買いものに行った時。店員さんから素晴らしい接客を受けたとしても、ふと目に入った手元の爪が伸びて汚かったりすると、ガッカリしちゃいますよね。

接客が同程度のクオリティで、ほかに身だしなみの整った店員さんがいれば、誰だってそちらの人からモノを買いたいと思うはず。つまり、知らず知らずのうちに、身だしなみを整えていないことでビジネスチャンスを逃しているかもしれないんです。

女性のメイクは、「自分がなりたいイメージを表現するためのもの」で、いわばプラスαの工程。身だしなみを整えることはその前段階で、「ビジネスのスタートラインに立つための最低条件」だとKUBOKIさんは続けます。

よく、「男が見た目を気にするなんて…」という言葉を聞くことがあります。僕は今45歳なのですが、ちょうどそこから上くらいの、昭和世代の男性に多いですね。でも、この言葉の本質はそこじゃないと思っていて。

もし仕事でしっかりと成果を上げていたら、おそらくそういう言い方をされることはない。本当の意味は「結果も出していないのに美容に使う時間があるんだったら、もうちょっと本腰を入れて仕事しろ」ということではないでしょうか。

ゴールは「結果を出すこと」なのであれば、「成果を得るために見た目に手間をかける」ことは間違ったことではないんです。実際、昔の人だって、すごい経営者や実業家で身だしなみを気にしなかった人はほとんどいないと思いますよ。

清潔感は「毛」で決まる

ビジネスパーソンにとって身だしなみがいかに重要かがわかったところで、具体的には何から手をつければいいのでしょうか。

先ほどもお話ししたような、指先、爪のケアは非常に重要です。名刺交換などで、まず目に入りやすい場所ですから。伸びすぎた爪はもちろんNGですし、ささくれが目立つことがないよう、日常的な保湿も心掛けてほしいですね。

そして、清潔感をもっとも大きく左右するのが「」。その手入れの重要性について、KUBOKIさんはこう強調します。

髪の毛はもちろん、ヒゲ、眉毛から耳毛まで、毛をきちんと整えることによって、人に与える印象は大きく変わります。

さすがに鼻毛が見えてしまっている人は少ないかもしれませんが、万が一出ているなんてことがあれば、それこそ大きなマイナスポイント。特に男性は、自分より身長の低い女性から見上げられることも多いので要注意です。

印象を大きく左右するという意味では、眉毛も重要です。男性だと、まったく手入れをしていない人も少なくないと思いますが、まずは下側にまばらに生えた毛を毛抜きで抜いたり、飛び出した毛をカットしたりするところからはじめてほしいですね。

ここがボサボサだと肌色がくすんで見えて、冴えない印象になってしまう。逆にちょっと整えるだけでぱっと明るく、清潔感もぐっとアップします。

さらにヒゲに関しては、見た目以上に「自分に与えるダメージ」も大きいと、KUBOKIさんは話します。

仕事や会社によって、伸ばせる・伸ばせないは違うと思いますが、まったく剃らないという方は少ないですよね。ヒゲを生やしていても、形を整えることは必要だと思います。男性なら、避けては通れないお手入れです。

そこでカミソリ負けしてしまうと、見た目うんぬん以前に自分自身がヒリヒリ、嫌な思いをする。その継続的な不快感というのは、メンタルにも大きく影響してきます。もちろん、ヒゲ剃りで荒れた肌は、見ている側にも不潔な印象を与えます。

それを避けるためには、剃る前に蒸しタオルでヒゲを温める、きちんと専用のシェービングフォームを使うなどして、ヒゲをやわらかく、剃りやすくするひと手間が必要、とKUBOKIさん。カミソリの刃を長い期間交換していない人も、要注意だとか。

本来2週間ほどで交換するべきなんですが、中には半年、1年単位で同じものを使っている人も。でも、長い間使い続けると刃こぼれするので剃る時に無駄な力がかかり、肌を傷めることにもつながります。

スパッとまっすぐに切れないので、毛の断面が斜めになってしまい、青ひげの原因にもなるため、カミソリの刃は定期的に交換する習慣をつけてほしいと思います。

ツールは「アップデート」すべし

安全で気持ちのいいお手入れをするためには、機能的なグルーミングツールが必要不可欠。さらにそれらのアイテムは、定期的にアップデートすることが欠かせない、とKUBOKIさんは話します。

爪切り 、毛抜きは特に、実家から持ってきたものをずっと使い続けている、なんて人も少なくないと思います。特に男性は、性格的に一途な傾向があるんですよね。使いはじめたらほかのものに浮気できないというか(笑)。

でも、それはモノによりますよ、という話。時計や鞄など、長年使い込んで育てていくアイテムと、身だしなみのためのツールとでは、完全に別物ですよね。

たとえばカミソリひとつでも、10年前と今のものを比べると、性能がまったく違います。肌負担が劇的に軽減されていたり、機能性が上がった結果、お手入れの時短につながったり。これこそライフハックではないでしょうか。

そんな、時代が止まったままの人にこそおすすめしたいのが、2022年3月に誕生した貝印の新しいグルーミングブランド、「AUGER®(オーガー)」です。

AUGER®とは、英語で「螺旋状の刃先」という意味で、“AUGER shell“はタケノコ貝を表す言葉にもなるそうで、世界的刃物メーカーである貝印の新ブランド名としてネーミングされました。

ラインナップは、システムカミソリ、ツメキリ2種、ネイルファイル(爪やすり)、ハサミ2種、毛抜きの全7アイテム。ツメキリは、切り心地違いのものが2種類(M RevolverとM Standard)、ハサミは、刃先がまっすぐな「オシャレハサミ」と、先が丸くなった「セーフティハサミ」の2種類です。

コンセプトに掲げているのは「one more action / 機動性能」。通常のデザインや機能に、もうひとつの動きを加えることで、高いパフォーマンスを実現しています。今回はこのAUGER®のアイテムを、KUBOKIさんに実際に使ってもらいました。

極限まで突き詰めた精緻な設計と、驚きのギミック

まず手に取ったのは、スタイリッシュな「毛抜き」。握った瞬間、その重心バランスの良さに心を奪われたKUBOKIさん。

持ち手の中央部分が外側にふくらんでいるので、とても自然に力を入れることができますね。

毛抜きの真髄ともいえる先端のキャッチも素晴らしい。するっと抜けてしまいがちな細い毛も、しっかりつかまえて離しません。先端の角度も含めて、これは相当緻密な計算があってこそだと思います。

毛抜きと同じく、眉毛のお手入れに欠かせないハサミも、持った瞬間に驚きがあったようです。今回は、「オシャレハサミ」で眉毛のお手入れにトライしていただきました。

ステンレス製ということもあり、ものすごく軽いですね。しかも、サビに強い。水気のある洗面所で使用することを考えても、非常に優秀だと思います。

それに一般的な眉バサミと比較すると、指穴のサイズがゆったりしています。これなら、指の太い男性でも操作しやすいですね。

切れ味も、AUGER®はさすが刃物メーカーである貝印さんのブランドというところ。ハサミって、左右の刃が単に平行に重なるだけじゃなくて、切るべきポイントで「点」で交わることでスパンと切れるんです。このあたりの設計は、やはり素晴らしいですね。

さらにKUBOKIさんは、先端を尖ったままにせず、若干やすりをかけている点にも注目。「これなら、初めて眉を手入れするビギナーでも安心して使えそう」と話します。

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次に手に取ったのは、ツメキリ。

この2種類のツメキリは…まず、デザインが最高ですね。僕らの世代的に言うと、どこかガンダムっぽいというか。このガジェット感に、心くすぐられますよね。

それに、なんといってもこの切れ味! 僕はヘアメイクという仕事柄、いつも爪を短く切りそろえてるんです。そんな爪でも、スムーズに切れる。ちょっとしか伸びていないところを切るのって、性能のいいものじゃないと難しいのですが、これならバッチリです。

そして、最後はシステムカミソリ。独立サスペンションと3D首振りによって、業界No.1の可動域を誇る「シームレスフィッティングシステム®」を採用しています。

動きがものすごく滑らか! しかも、刃の部分は面であるはずなのに、ぴったり肌の曲線に沿ってくるような印象を受けます。5枚の刃が連動するのではなくて、1枚ずつ独立して動くってことなんですね。

さらにこのカミソリの優秀なところは、世界初の「ヘッド角度可変機構」が採用されていること。あご部分では多くの人が毛の流れに逆らった「逆剃り」をしていることに注目し、その際に操作しやすいよう、ヘッドを約30度傾けることができる仕組みです。

ネックが、曲がるんですか…? すごい、こんなカミソリ、初めて見ました。逆剃りって、確かに肌には負担になるんですけど、そうやって剃らないと難しい場所もある。その時にこれは、めちゃくちゃ便利ですね。革新的とすら思います。

Imege: 貝印
Imege: 貝印

“細部に宿るクラフトマンシップ”で、生活が変わる

ビジネスパーソンとして、いかに身だしなみが大切か。また、そのためのツールが、いかに進化を遂げているのかについて見てきました。

これまでグルーミングにあまり時間をかけてこなかったという人に対してアドバイスをするならば、KUBOKIさんはどんな言葉をかけるでしょうか?

まずは形から入るというか、とりあえず道具をそろえるというのはアリだと思います。AUGER®なら、見た目もめちゃくちゃカッコいいし、所有欲をそそられるデザイン。これが洗面所にあることによって、気分も変わると思いますよ。

実はAUGER®の開発にあたっては、デザイン性と機能性を両立させることを目指し、それぞれを高めながらお互いを損ねないプロダクトを作り上げました。パーツごとに開発チームが結成され、3年かけて商品化までこぎつけたそうです。

すごく地味なんですけど、毛抜きの先端の細かい調整だったりっていう、細部にクラフトマンシップが宿っている。僕は仕事柄いろいろな新製品を試しますが、正直マーケティングが上手で売れているだけという商品もあることは否定できません。

でもAUGER®のアイテムは、ものづくりに込められた開発者の情熱を、ものすごく感じました。でありながら、1,000円から3,000円という手の届く価格というところが素晴らしいと思います。

さらには、そういったアイテムを使って日ごろのケアをすること自体が、内面にも変化をもたらすとKUBOKIさんは言います。

身だしなみを整えることは、自分と向き合う時間にもなります。上質なアイテムを愛用していれば、それが少しずつ自信になって、自分の中に蓄積されていくと思うんです。

日々のグルーミングは、ビジネスパーソンこそやらない理由がないですよ。自分自身にとっても、仕事の上でも、プラスしかないですから。

はじめてみれば、きっと実感できると思います。

KUBOKI

ヘアメイクアップアーティスト。Three PEACE所属。都内のサロン勤務後、資生堂SABFAメーキャップスクール卒業。アシスタントを経て独立し、媒体や広告、ショーなどで幅広く活躍。その卓越したセンスと自身の経験に裏打ちされた美容理論に多くのファンが。著書『男の美容武装』(ワニブックス)で男性に向けたビューティ哲学と実践的なメソッドを披露。サロン『umber』主宰。@kuboki_hairmakeup/Instagram

撮影: KOBA/Source: AUGER®