性格診断」と聞くと、心理テストや占いなどが思い浮かびます。「当たってる」「ちょっと違うかな」などとエンタテインメントとして楽しんできた方も多いかと思いますが、いよいよこれからは、AIの力で本当の性格が丸裸になってしまうかもしれません。

IBMが開発した性格分析ツールの話題が、同社が提供しているWebメディアMugendai(無限大)にて紹介されていました。これまでとは違う科学的なアプローチによる性格分析とのことで、企業の採用やマーケティングなど、ビジネスの世界にも新風が吹き込む可能性があるそうですよ。

占いとは違う、AIによる性格分析。重視するのは「どんな書き方をするか」

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Image: Mugendai(無限大)

IBMが「性格分析ツール」として開発を進めているのは、同社のコグニティブ技術であるWatsonのAPIの一つである、「IBM Watson Personality Insights」。これまでも、顧客の属性や行動履歴などの分析は盛んに行われていましたが、それとは別の切り口として始められたそうです。

気になる仕組みですが、人が書いた「文章」を解析して性格を推定するというものだそうで、実験にはTwitterの書き込みなどをサンプルとして活用しているのだとか。

この取り組みに関して、主席研究員である那須川哲哉さんは以下のように語っています。

一般的に「性格分析」と聞いてイメージするのは、いわゆる「人相学」や「骨相学」「血液型性格分類」などが代表的なものだったと思います。しかし、これらはすべて、統計的には「根拠がない」ということが明らかになっています。その点、Personality Insightsは、統計に基づく科学的なアプローチで性格を分析しようとする取り組みだと位置づけることができます。

実際、性格の特性は「何について書いているか」ではなく「どんな書き方をするか」と結びついているそう。たとえTwitterで「裏アカウント」を持ち、投稿内容やキャラクターを変えて投稿をしていても、通常のアカウントとほぼ同じ性格という診断結果が導き出されたのだとか。もうAIには何でもお見通しなんですね…。

新規ビジネス創出や組織形成、マーケティングなど、性格が分かることで広がる可能性

IBMではこのPersonality Insightsを単なる性格分析ツールとして終わらせることなく、ビジネスの世界で新しい風を起こそうとしています。例えば、性格の相性がいい人同士をマッチングさせ、ビジネスパートナー創出やチームビルディングなどに活かしていく可能性を探っているのだそうです。

さらには「モノ」とのマッチングも視野に入れています。「こういう性格の人は、こういう商品を好む」といったデータから、新たなマーケティング手法の実現も期待されており、アメリカではすでに実例もあるそうですよ。

那須川さんと共に記事に登場する、同じく研究者の上條浩一さんは、Personality InsightsならびにAIによる性格分析の未来について以下のように語っています。

「性格分析」は「占い」などの類ではなく、統計的に根拠のあるものだという理解が広がっていき、ロボットなどの技術と組み合わせ、高齢化などの社会課題の解決に貢献するようなイノベーションを起こしていきたいです。

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Image: Mugendai(無限大)

ほかにも、「僕」を多用しがちな人は好奇心が強い、「ひらがな」を多用する人は比較的おおざっぱな傾向が強いなど、最新の研究による性格分析のお話は、Mugendai(無限大)よりぜひ続きをお楽しみください。


Image: Mugendai(無限大)

Source: Mugendai(無限大)