なんだこの飛べる感じ...軽さ限界突破のアシックス新作シューズ「DynaFlyte」がニューヨークでお披露目

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  • author 塚本 紺
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なんだこの飛べる感じ...軽さ限界突破のアシックス新作シューズ「DynaFlyte」がニューヨークでお披露目

ランニングって、楽しいんだ。

「今度出すランニングシューズ、ヤバいよ」ということで、アシックスから招待されて行ってきました、新作「DynaFlyte(ダイナフライト)」グローバル・ローンチ!

DynaFlyteはアシックス史上最軽量のミッドソール(甲被と靴底の間の中間クッション材)素材を搭載したスピードを出しやすいランニングシューズ。

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「FlyteFoam(フライトフォーム)」と呼ばれるこちらのミッドソール(右)、従来のミッドソールと比べてみると確かにかなり軽くなっています。FlyteFoamは去年発売されたランニングシューズ「MetaRun(メタラン)」のミッドソールにも一部使用されていますが、ミッドソール全面に搭載するのはDynaFlyteがとなります。

この「DynaFlyte」のポイントは、クッション性と軽さを両立している点にあります。

クッション性

新開発のミッドソール素材「FlyteFoam」は軽いのにクッション性が高いのが特徴。素材は繊維を添加して強化されているのでクッションの感覚もヘタらない、つまりずっとクッション性が維持されるんです。

軽さ

このスニーカー、とにかく軽いんです。ミッドソールは従来の「E.V.A.」を使った通常のものと比較して半分以上(約55%)も軽量化されており、シューズの重量は270g(27cm/片足)と、アシックスの一般ランナー向けランニングシューズが下回ることができなかった「300gの壁」を大きくクリアしています。

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通常はシューズ重量を減らすとクッション性を失ってしまうことにつながります。私たちの課題は性能の高いクッションと軽さを備えたモデルを作ることでした

アシックス・スポーツ工学研究所所長 西脇剛史

そうなんです。クッションと軽さってトレードオフの関係にあるんですね。しかも軽いミッドソールは安定性に欠けて脆くなりがちです。300を越える素材組み合わせを試した末に誕生した「FlyteFoam」は耐久性、軽量性、クッション性を「一石三鳥で」達成しているとか。

さっそく履いてみました!

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会場では「潜在スピードを解放する」という表現がよく使われたのですが、走ってみて納得。かなり軽いです。しかも側面のストライプマークやエッジ部の素材は接着剤でくっつけられているので、アッパー部の締め付けがありません。

DynaFlyteのスローガンは「DON'T RUN, FLY(走るな、飛べ)」。

ということで飛んでみました。

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軽さ、伝わりましたでしょうか。

ソールの側部、シュータン部には鳥の羽がデザインとして描かれています。ファイナルファンタジーでいうところのエルメスのくつなんですね、わかります。戦闘開始時からヘイストがかかってるんですね。

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会場を後にして、今年引退したマラソン選手ライアン・ホール氏と一緒にセントラルパークを走りました。

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外を走ってみてすぐに感じたのは「楽しい!」ということ。

軽いので足を前に出すのがまったく苦じゃない、しかもクッションが良く着地も軽いので走っているというより、ちょっと浮いてる感じがしました。いやー「走るな、飛べ」ってあながち嘘でもないかもしれません。あ、いや嘘だと思ってたわけじゃないですが、よくある大げさマーケティングかなと思ってたんですよね...

本格的にランニングをしており、さらに上のレベルのスピードを目指している人はもちろん、「昔はよく運動してた」「ランニングを始めたい」という人にすごく良いシューズなのではないでしょうか。

特にランニングシューズを何年も履いてない人にとって、このDynaFlyteはちょっと驚きの代物です。クッションと軽さがどちらもある感覚が新鮮で、走る動きがいちいち楽しいんです。

運動した方がいいなと思いつつ「どうせ続かないよな...」と始める前から諦めている人はたくさんいると思いますが、動くこと自体が楽しければきっと継続できるはず!

それでも「今仕事が忙しいから、落ち着いたら時に始めるよ」と言い訳を思いつくのがスーパー得意な方(=私)のために、ライアン・ホール選手に聞いてみました。

「怠けてしまう時期から抜け出すにはどうしたらいいですか?」

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継続することの一番の秘訣はとにかくそれを楽しむことだと思う。私がランニングを続けてきたのもそれが大好きだからだしね。私もマラソンを走るたびに怠け時期があるよ。2週間くらい一切走らないし4、5キロ太ったりしてしまう。

だから(二番目の秘訣としては)ゴールを決めることだと思う。マラソン大会に登録するとか、何か〆切みたいなものを作ってしまうと人間頑張るものだからさ。

ライアン・ホール選手

いやもうその通りですよ。ハーフ・マラソンの全米記録保持者に言われたらぐうの音も出ないです。走る楽しさを感じるシューズとしては、DynaFlyteぴったりだと思います。

販売は7月1日から。そして気になるお値段は...メーカー希望小売価格1万3500円。アシックスでももっと低価格なランニングシューズはたくさんあるので「よし、いっちょランニングやってみっか」な私たちには抵抗がある価格帯。

しかし買ってしまったらもう走り続けるしかないため、モチベーション代として投資するのもアリかもしれません。性能という面から考えるとお買い得じゃないでしょうか。

source: ASICS

(執筆:塚本 紺 撮影:Wataru Shimosato)