忙しさを言い訳に、ついつい朝ご飯を抜いてしまいがちな現代人。しかし、朝食は三食のなかでももっとも大事な食事といわれています。

今回は、朝食を抜くことが人にもたらす可能性のある「5つの負の影響」をご紹介します。

1.肥満になる

過去の研究では、朝食を抜くと肥満になる確率が高くなることが判明しています。一日の早い時間帯に食べることで、その後の食べ過ぎを抑えることができるのです。また、朝食をとるとインスリンの濃度を低く抑えられ、脂肪が体内に蓄積しにくくなります。

三食の中でも朝食の比重を高くすることが、体重減少につながることは、次のような研究でも明らかになっています。

イスラエルのテルアビブ大学の研究チームによって行われた最新の研究では、93名の過体重・肥満の女性に合計1400カロリーの食事を12週間毎日とってもらいました。被験者は2つのグループに分けられ、片方は朝食・昼食・夕食の摂取カロリーをそれぞれ700・500・200カロリーとしたのに対して、もう一方はその比率を200・500・700カロリーとしました。

すると、朝食のカロリー比率の高い前者のグループの方が、より多くの体重が減少し、ウエストのサイズもより小さくなるという結果に。また、トリアシルグリセロールという血中内の脂肪の値も、朝食の比重が高いグループの方が、減少率が大きいことが判明したそうです。

「肥満やメタボリックシンドロームを適切に管理するには、より高カロリーの朝食をとって、代わりに夕食の量を抑える方が良い」と研究者は主張しています。

2.心臓発作になるリスクが高まる

朝食を抜くと、心臓にも悪影響をもたらします。2万6902名の45歳から82歳の男性を対象に、16年間にわたって行われた研究では、朝食をとらない男性は朝食をとる男性と比べると、心臓発作を患う、または冠動脈性心疾患によって死亡するリスクが27パーセント高いことが分かったそうです。

朝食を抜く人に見られた喫煙率の高さ、運動量の少なさ、フルタイムで働く率の高さといった他の要因を考慮しても、朝食を抜くことと心臓疾患の相関関係は非常に強いという結果が示されました。

その他、米Harvard大学の研究チームによって行われた最新の研究でも、朝食をとらない45歳以上の男性は心臓発作を患うリスクが約30パーセント高いことが判明したそうです。

3.2型糖尿病のリスクが高まる

朝食を抜くと、2型糖尿病を発症するリスクも高まります。米複数大学の研究チームによって行われた最新の研究では、朝食を抜くことが多い女性は、毎日朝食をとる女性に比べて、2型糖尿病を発症するリスクが高まるという結果が示されています。

4.忘れっぽくなる

朝食は健康だけでなく、記憶力にも影響を与えます。2005年に生理学の学術誌に発表されたある研究結果によると、オートミールを朝食に食べる小学生は、朝食を食べない生徒に比べて、より短期記憶が優れていることが判明したそうです。

5.ネガティブになる

1999年に心理学の学術誌で発表された研究結果によると、しっかりとした朝食をとる人は朝食を抜く人に比べると前向きであることが分かったそうです。朝食は身体だけでなく、心のエネルギー源にもなるのです。

食べる量だけでなく、何を食べるかも重要とのこと。栄養士のLisa Mosokovitz氏によると、理想的な朝食は砂糖、飽和脂肪、コレステロールが少ないものだそう。例えば「卵の白身で作った野菜オムレツ、アボカド、全粒粉トースト」といった朝食メニューは理想的なようです。

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(佐藤 ゆき)

Photo by Thinkstock/Getty Images.