学生の頃からバックパック旅行が大好きで、社会人になってからは取材のために海外に行くようになりました。これまで約20年間で30カ国、40くらいの都市を旅してきましたが、先日のシルバーウィークにも、バンコク経由でストックホルムを訪れ、その後、ベルリンに滞在しました。

そこで、今回は僕なり経験と長年の試行錯誤に基づいた、旅の必須グッズをまとめてみました。

1. コンパクトなスーツケース

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実際のスーツケースの中身とロサンゼルス旅行の際、現地のマリブビーチで買ったトートバッグ

なるべく小さいスーツケースに収めるようにしています。機内持ち込みもでき、宿に預けなくても、空港からそのまま町歩きができるようにするためです。僕の愛用のスーツケースは、コンパクトで丈夫なアメリカンツーリスターの「Prisomo」。容量30L、重さ2.7kgで、360度動く4輪がついており、衝撃を受けても歪みが残りにくいのが特長です。このスーツケースに、ダウンジャケット、ジーンズ、ハーフコート、防水のアウトドアジャケット、パーカ、寝巻き用のスェット、4、5日分の下着、タオル等々、全て納めました。パッキング術については、これらの過去記事を参照ください。

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2. バックパック

愛用しているのは、ノースフェイスのバックパックです。雨が突然降っても平気なアウトドアブランドのものがいいですが、同時に都市でも背負えるファッション性も重視しています。バックパックが大きすぎるのも身体に負担をかけるので、荷物の総容量をなるべく減らして、背負って移動しても苦にならない量のバックパックとスーツケースを選びましょう。

荷物はこの2つにすべて納めます。これでシルバーウィークに10日間のヨーロッパ旅行をしてきました。

3. トートバッグ

各都市に着いたら、バックパックとスーツケースは部屋に置いて、トートバッグを取り出し、パスポートや財布、地図、ガイドブックを入れて行動します。トートバッグは折り畳むと小さくなるのでスーツケースのスペースを食うこともありません。バックパックだと、会食やドレスコードのあるレストランやコンサートには行きにくいですし、断られた経験もあるため、自然とトートバッグで町歩きするスタイルに行き着きました。現地のトートバッグを買って、それを持ちながら移動するのもよくやります。

4. 折りたためるシューズ

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折りたためるだけでなく水にも浸かれるので夏の旅行で海に行く際は便利です。

ティンバーランドの折りたたみができるスニーカーはスーツケースに入れるのに便利です。靴は何足か持っていきたいですが荷物になります。ジッパーで折りたたんで、スーツケースに入れて、現地で靴を履き替えてから観光や会合などの行動に移ります。

5. 2台のスマホと2つの充電器

海外取材の際、それまで定番だった重たい一眼レフとICレコーダーとノートを持ち歩くことはきっぱりやめました。スマホ2台だけで充分です。しかし、写真や動画を撮ったり、インタビューを録音すると数時間であっという間にスマホの電源は切れてしまうので、iPhoneとAndroidの両刀遣いというスタイルをとっています。海外ではたとえばソフトバンク系の通信がなかなかつながらかなかったら、ドコモ系を使う。その逆もあったり、といった感じです。

さらに、スマホ2台の充電にイライラしないように多少重くてもしっかり充電できるバッテリーを持って行きます。バッテリーはEC Technology製で、スマホ2台を1日数回充電できるほどの容量。22400mAhもあるので、もう1つの小さい方の充電器もこれで充電仕切ってしまいます。USBポートが3つもあるので、スマホ2台とApple Watchを充電しています。ちなみにタブレットは持たない派です。タブレットでできることはスマホで殆どできるので旅行中は荷物になるだけ、と考えています。この原稿もスマホで書きました。各国電圧が異なるため、電源トラブルというのはプラグや変圧器を準備してはいても起こることがあります。この大きなバッテリーで充電して、町歩きの際、いざという時のために、さらに小さい充電器をトートバッグに入れて持ち歩き、取材の移動の際は、万全を期して、この大容量の充電器を持っていくようにしています。

6. SKINS

長時間のフライトは身体には酷です。いくら機内で寝ていたとしても疲労は残るもの。そこで、フライト中に身体の疲れをとってくれるボディスーツ、SKINS「RY400」シリーズのロングスリーブとロングタイツの上下を着ます。SKINSは、スポーツ医学から生まれた着圧アンダーウェアです。適度に筋肉が圧迫され、疲労物質である乳酸を体の中に押し戻してくれるという優れもの。SKINSのすごいところは、段階的着圧設計で疲労回復を促進し、マッサージ効果、体温調整を促し、着ていて心地良く、移動中でも就寝中でも着ていられ、しかも汗をかいても匂いが出にくいのです。さすがに日本の灼熱の真夏は多少暑いと感じるかもしれませんが、機内は冷房が効きすぎていることが多いので防寒対策にもなります。海外は日本に比べると1日の中で寒暖の差が激しいので、小さく丸めてトートバッグに入れておいて、陽が落ちて寒くなったら、トイレでSKINSを着込むという習慣がいつの間にかつきました。コートやフリースを何着か持っていくよりSKINSは荷物になりません。

7. 耳栓

僕はフライト中に突発性の中耳炎になったことがあり、数年間飛行機に乗れませんでした。今でも後遺症は残っていて右の耳がどうしてもつまってしまいます。耳抜きができないときもあります。僕のように三半規管や耳の弱い人はフライト専用の耳栓が今はいろいろと出ています。僕は離着陸時には「サイレンシア フライト」を愛用しています。遮音性ありませんが、気圧の変化による負担を軽減し、それでいて会話などはふつうに出来るというわけです。

8. ノイズキャンセリングイヤホン

フライト中に質の高い睡眠を保つためにノイズキャンセリングイヤホンを持っていきます。離着陸時は「サイレンシア フライト」を着用し、高度が安定してきたら、BOSEの「QuietComfort 20」を着けます。「QuietComfort 20」は飛行機につきもののうるさい音を遮断してくれるだけでなく、音楽ファンにとっても聴き応えのあるイヤホンです。なんといってもブランドはBOSEですから、音楽自体の高音や低音の「鳴り」は素晴らしいものがあります。飛行機の中はエンジン音がうるさいですし、たまに赤ちゃんを抱いたお母さんが近くの席になったりすることもあります。僕はBOSEのノイズキャンセリングイヤホンを愛用してフライトでは何も音楽をかけずに耳栓にして寝るようにしてます。アイマスクとマスクをして完璧に整えれば、後はもうグッスリ寝るだけです。

9. 現地の地図と路線図

スマホの充電切れやWi-Fiが入らない、通信できないといったトラブルは必ず起きると考えています。事前に日本で手に入れられない場合、現地に到着すると空港や駅で、路線図と地図を必ず手に入れるようにしています。国によってはタクシーがなかなかつかまらないところがありますし、Uberを使ってもタクシーの運転手が対応していない街もまだまだ多いです。ガイドブックを買う際は必ず路線図か地図を破いて持ち運べるものがいいでしょう。

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荷物が少ないと思われる方もいるかもしれません。僕は、下着は4、5日分を持っていって、現地で1回洗濯してしまいます。それで10日〜2週間の旅行を何度も乗り切ってきました。シャワーを浴びるときに、旅行用の洗剤を服にかけて足で踏んで洗うと時短にもなります。寝る前に暖房の近くや窓際に置いて乾かします。


最後に体調管理は旅の必須事項です。僕は長期旅行の際はフライト回数に合わせてロキソニンを何錠持って行くか計算するようにしています。これは先ほども書いた過去の耳の病気から気圧変化に弱くなったためで、搭乗前に必ず飲むようにしています。また、風邪薬、下痢止め、葛根湯、急な栄養補のために給水なしで飲めるアミノバイタルなども必ず持参します。ヨーロッパは乾燥しているのでリップクリームやスキンクリームも必須で、持っていかなかった必要なものは現地で買うようにしています。

それでは、皆さんも万全の準備で、良い旅と良いフライトを!

(米田智彦)