金曜日になったら、iTunesのプレイリストでお気に入りの曲をかけて、週末ムードを盛り上げる人もいるかもしれません。そういう人は、音楽が気分に大きく影響することをよく知っている人です(気分だけでなく生産性がよくなることも)。しかし、科学的にみると、音楽は仕事をはかどらせたり、失恋から立ち直らせたりするだけでなく、なんと体調まで良くしてくれるのだそうです。

最近、カリフォルニア州立大学バークレー校の科学研究センター「Greater Good Science Center」が、科学的にみた音楽の力に関する興味深い研究を発表しました。お気に入りの音楽を聞くと、脳に具体的にどのような影響があるのか、音楽を共有することで社会的な結びつきがどのように強くなるのか、さらには心理学者のJill Suttieさんによる、音楽があらゆる面で健康に影響を及ぼしていることなどがありました。

1. 音楽はストレスを軽減する

誰でも、音楽を聞いて心が落ち着いたり、ストレスを抱えた後で音楽を聞いて、気分が変わったことがあるでしょう。音楽のお陰かどうかわからないと懐疑的に思っている人もいるかもしれませんが、科学的にも音楽にはストレス解消をする性質があり、身体的に落ち着く効果があることが立証されました。

研究の中で被験者のSuttie氏は「外科手術を受ける患者は、精神安定剤を投与されるよりも、音楽を聞いた方がストレスがより軽減されました」と報告しています。音楽を演奏することも同じような反応があるそうです。

2. 音楽は痛みを緩和する

出産、線維筋痛の苦痛、手術などに直面している患者が音楽を聞いたところ、痛みを感じることが少なかったと、多くの研究(と多くの個人的な経験)により明らかになりました。この研究によって同研究センターは、「音楽は強力な鎮痛剤だ」と結論づけています。鎮痛剤が切れている時は、代わりにiTunesで音楽を聞きましょう。

3. 音楽は細菌を寄せ付けない

コップ1杯のオレンジジュース(もしくはビタミンC)が、会社に蔓延するバイ菌を寄せ付けない、という話を聞いたことがあるかもしれません。お気に入りの音楽を聞くのも、オレンジジュースと同じような効果があります。

研究者は、音楽が免疫グロブリンA(IgA:病気に対して最前線で防御する免疫システムの重要な抗体)のレベルにどのような影響を及ぼすかを観察しました。「クリック音を聞く」「ラジオ放送を聞く」「心地良い音楽テープを聞く」「無音」の4つの状態の前と後30分に、被験者の大学生の唾液のIgAレベルを測定しました。心地良い音楽テープを聞いた後の学生のIgAレベルは、他の状態よりも驚くほど増加していました。他の音ではなく、音楽によって先天性免疫が向上した証拠です。

他の研究でも、音楽によって免疫機能が上がったという事実があります。今度風邪を引きそうになった時は、オレンジジュースを飲むのもいいですが、心地よい音楽を聞いてみてもいいかもしれません。

Music Makes You Healthier, Science Says |Inc.

Jessica Stillman(訳:的野裕子)

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