ランニングがすっかりルーティンになってしまい、改善することなんて考えもしない...よくあることです。しかし、それって「進歩のチャンス」を見逃しているかもしれません。今日は、すぐ実行できるランニングを進化させる方法を4つ紹介しましょう。
ここにあげるトレーニング戦略は拙書『走るのが上手くなる101の簡単な方法』から引用したものです。
週に2~3回のストライドを始める
ストライドとは、「楽に走った後で、20秒から30秒速度を上げて走ること」です。駐車場でも(車に気を付けて)、道路でも、長いドライブウェイでも、野原でもできます。まず楽なペースで走り始めて、徐々に速度を上げて、全速力の95%まで達してください。それを2~3秒間保ち、その後で徐々に速度を落としていき、最後は立ち止ります。これがストライドです。
30秒から1分間の休憩を挟んでストライドを続けます。まずストライド4回から始めて、6回か8回に増やします。ストライドは比較的短いものだということを念頭に置いてください。だから、速度が上がりすぎても(ほんの2~3秒間ですが)、苦しいものであってはいけません。楽しいものにしましょう。ストライドについて知識を深めたい人は、ここに詳細を書きましたので、どうぞご覧ください。
力がついてきたら、馬鹿の一つ覚えにならないように
トレーニングでは、「前後」「左右」「回転」という3つの動きで体を鍛えることを意識して。ランニングは「前後」の動きだけになりがちなので、筋力を保ち、怪我をしないようにするためにも、体全体を動かすのが大切です。
以下のエクササイズを試してみてください。
1.前方に足を踏み出し、体幹をぐるりと回転させる。
2.体の側面を伸ばす。
3.脚を横に上げる。
4.横に踏み出す。
5.メディシンボールで干し草俵運動(メディシンボールを手に持ってスクワットする、その姿勢から立ち上がるとき頭上にボールを挙げて、さらに横へも回す。体幹を回すときはボールに目をやる)
ランニングは一方向だけの動きの繰り返しなので、バランスが悪くなります。健康を保つために、さまざまな動きのエクササイズをして、バランスが悪くならないようにしましょう。
ネガティブ・スプリットを好んで実行することを学ぶ
ネガティブ・スプリットとは、「走る距離の全体から見て、前半より後半にかけて速度を上げること」です。長距離を走るときや、ワークアウトやレースのときは、できたらネガティブ・スプリットを実践してください。
トレーニング中にネガティブ・スプリットをしていると、タイムが意味を持つレースのときも自信をもってできるようになります。すでに疲労していても、ランニングの後半になったら速度を上げることを自分の体に教えると、有酸素運動による刺激もより多く得られます(これで持久力が高くなります)。
折り返し地点まで走って戻ってくるやり方で練習をすれば、正確に片道ずつの時間を測れます。競技場で行う練習はどれでも、ネガティブ・スプリットに適しています。タイムを秒の単位まで測ることができるからです。
さまざまなタイプの長距離走をする
長距離走は同じペースでなくてもいいのです。ランニングの後半は地形やペースを変えれば、フィットネス効果も取り入れることができます。以下は、私が好む長距離走のバリエーションです。
•坂道長距離走:複数の坂道を3~8キロメートル走るか、1.5~3キロメートルの長い坂道を5~10分間で走る。
•速度に緩急をつけた長距離走:残り1.5~3キロメートルになったら、短いファルトレク走(野外走、自然の中のさまざまな地形を利用し、ペースを変えて走るトレーニング)を始める。私の好みは、30秒間10キロメートルペースで走ることを8回繰り返した後、1~2分間のジョギングで回復、あるいは1分間のテンポ走を6回繰り返して1~2分間のジョギングで回復するという組み合わせ。
• 漸進走:最後の3~8マイルで徐々に速度を上げて、自分のテンポ走か10000メートル走のペースで走る。これは上級編のトレーニングだが、疲労しているとき速く走ることを体に覚えさせるので持久力が高まる。
これらは標準的な長距離走のちょっと上級編ですから、賢く進めていきましょう。まず坂道から始め、それからファルトレク走で長距離を走り、最後は漸進走で終わります。
ちょっとトレーニングを変えることで劇的な結果を生み出すことがよくあります。ここでご紹介したランニングの簡単な改善をぜひ試してみてください。そして、2~3週間後にどうなっていくか教えてください。きっと、より速く、より強く、より健康になっているでしょう。
ここでご紹介したことは、すべて「SR Coaching Philosophy」の中にあるトレーニング原理から引用したものです。だから、着実に実行すれば、ランニングに関してはTry Everything, Try Nothing approach(「当てずっぽうに何でも試すのは何も試みないのと同じこと」的アプローチ)の犠牲にはなりません。
4 Actionable Ways to Improve Your Running Today | Strength Running
Jason Fitzgerald(原文/春野ユリ)
Illustration by Tina Mailhot-Roberge. Additional photos by Rhett Landry, Peter Mooney, Rennett Stowe, and Mark Stevens (Flickr).