最高の晩酌を父に贈る──。「ウイスキーのおいしい飲み方」新提案

昨年からテレビドラマ「マッサン」の影響で、人気が高まっているウイスキー。ストレートはもちろん、氷を入れたり、炭酸水で割ったりと幅広い飲み方ができるのが特徴です。気分に合わせてカスタマイズできるので、毎日の晩酌にはぴったり。お酒好きのお父さんへの父の日のプレゼントに最適です。

とはいえ、ただブームに乗って贈るというのも、ちょっと芸がないような……。そこで、伊勢丹新宿店「グランド カーヴ」の洋酒担当、八木香さんの力を借りることに。

「昨年から続くウイスキー人気で、欠品が出るほどお客さまは増えました。以前は、40～50代の男性のお客さまが多かったのですが、例のドラマを見て興味を持たれた若い女性や、ウイスキーが糖質オフであることに惹かれて購入される健康志向の方など、新しい層のお客さまが多くなりましたね。ウイスキー好きの裾野が広がっている印象があります」

ウイスキー好きの人口が増え、ブームから定番になりつつある現在。そこからさらに一歩進んだ、ちょっと新しい楽しみ方のできる3本と、おいしい飲み方を教えてもらいました。

聞けば、八木さんご自身も「ハイボールではじめてストレートで締める」というご機嫌なウイスキー呑みだそう。八木さんが自身の舌で確かめた、各銘柄を最もおいしく味わうための『飲みどころ』は必見です！

どんな飲み方にもハマる全方位型ウイスキー

最初のおすすめとして挙げていただいたのは、「アイル・オブ・アラン」。スモークしていない大麦を使い、少量生産で丁寧に作られたシングルモルトです。

「ガツっと飲みたい時にはハイボールや水割り。味の変化を楽しみたいときにはロック。じっくりと味わいたい時にはストレートなど、どんな飲み方でもピタッとハマります」

お父さんの味の好みがわからなくても安心してプレゼントできる、万能な1本だそうです。

「ぜひ試してほしい 『飲みどころ』は、ストレート＋水を数滴という組み合わせ。まずはそのまま香りや余韻を楽しんだ後、水を1、2滴垂らすと、パッと開くシトラスの華やかな香り……。この変化は、本当に見事です！」

ちなみに使う水はミネラル分が少ない「軟水」がおすすめ。余計な雑味が出ず、まろやかな味に仕上がるそうです。同じ1杯でも、味わっている途中で飲み方を変えられるなんて、お店ではできない楽しみ方。さらに、「グラスにちょっと意識を向けるだけで、晩酌はもっと楽しくなりますよ」と八木さん。

「グラスによって、味や香りはかなり変わります。と、言うと多くの方が『詳しい人じゃないと違いはわからない』とおっしゃるんですが、飲み比べると違いがハッキリわかるはず。今回ご紹介する『アラン』は、口が広く開いた形で香りを感じやすい『専用グラス』がセットになっているので、すぐにお試しいただけます。さらに、家にあるグラスでいろいろな飲み方を試して、自分好みの1杯を探すのも楽しいですよ」

黒胡椒をプラス!? 進化系ハイボール「タリソー」

2本目は、スコットランドのスカイ島にある「タリスカー蒸溜所」で製造された「タリスカー」。強過ぎないピートの香りと、荒々しい海に囲まれた島の潮気が絶妙なバランスで、とても爽やかな１本なんだとか。

「独特なピートの香りが苦手という方にもおすすめです！というのも、私も以前は苦手だったのですが、『タリスカー』がきっかけで、ピート香にハマりました。おすすめの飲み方はハイボール。一層爽快で、飲みやすくなります。最近では、バーなどでも『タリソー』という名前で人気があるんですよ」

現在では定番の飲み方となったハイボール。とある、ありふれた香辛料を加えた「タリソー」が、この銘柄の『飲みどころ』なんだとか。

「『タリソー』にブラックペッパーを振りかけると、タリスカーの持つ潮気と辛みがマッチして味がキリっと締まり、さらにおいしくなります。飲み慣れたハイボールとの違いを感じてほしいですね」

 「クラッシュアイス」で非日常な1杯を

最後は、国産シングルモルトの雄「駒ヶ岳」で有名な本坊酒造が製造するブレンデッドウイスキー「繋＜つなぐ＞」。

「スッキリとした香りとまろやかな熟成感が両立した、日本人向きの味わいです。お土産として海外の方にも人気があるんですよ」

そんな「繋＜つなぐ＞」の気になる『飲みどころ』は、「ミスト」という飲み方。ウイスキーでは、あまり馴染みのない飲み方ですが……。

「ミストとは、ロックグラスにクラッシュアイスをたっぷり入れて、ウイスキーを注ぐ飲み方のこと。爽やかな香りがさらに引き立ちます。クラッシュアイスはスーパーやコンビニなどで購入できるので、家での晩酌でもおすすめ。キンキンに冷えたグラスの表面を覆う霧（ミスト）が涼しげで、これからの暑い季節にもピッタリです」

幅広い飲み方が楽しめる、とっておきの1本をぜひ父の日に。年に一度のこの機会に、お父さんと一緒に普段とはちょっと違うスタイルの晩酌を楽しんでみてください。

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