写真家の有高唯之さんが神奈川県逗子市に移住したのは、今から2年半前のこと。それまでは夫婦2人、世田谷区内のマンションで暮らしていましたが、愛猫に子供が生まれたことから手狭になり、引っ越し先を物色することに。そこで、「どうせ引っ越すなら...」と都会の喧騒から離れ、少しスローな生活にシフトしたのがはじまりでした。

新たな拠点に逗子を選んだ理由は、もともとお気に入りのドライブスポットであったことがひとつ。海辺の市場にも近く、地産の野菜がたくさん売られるロケーションは、生活の場としても理想的。さらに、現在住まう戸建ての物件に"一目惚れ"したことが決定打になったのだそうです。

逗子市内の高台に建つ家屋は、実に築70年という年季物。建築は昭和20年だそうですから、戦時中に建てられた貴重な物件ということになります。その、いかにも古風な雰囲気と、採光の多い間取りにすっかり魅せられた有高さんは、移住後にDIYに開眼。仕事の合間に棚やテーブルを自作し、ついには軒先のテラスまであつらえてしまうなど新生活を満喫しています。

しかし、一軒家というのは掃除が大変で、古い住宅というのはゴミが出やすいもの。さらに、ネコたちの毛が気になるところ...結構、掃除は大変なのではないでしょうか。有高さんにルンバ&ブラーバを導入してもらい、感想をお聞きしました。

有高唯之 Tadayuki Aritaka

写真家。1971年生まれ、石川県出身。名古屋、広島、新潟育ち。逗子在住。雑誌、広告、CDジャケット、映画、ウェブメディア等で著名なアーティスト写真を中心にさまざまな作品を発表し、独自の世界観を作り上げ注目を集めている。2009年にはライフワークとして撮影している皆既日食をテーマにした個展『NAVEL』を開催し好評を博した。同年『STUDIO VOICE 日本の写真家100人』に選出される。2012年より東京から逗子に移住し、日本酒、食に精通していることもあり、三浦半島での食に関わる地元有志たちが結成した「三浦半島 食彩ネットワーク」にも写真家として参加している。また、写真エッセー『コの字酒場はワンダーランド』(六耀社)で写真を発表するなど、酒場、日本酒関連での活動も多岐にわたる。

有高唯之オフィシャルサイト

ネコとの生活にはこまめな掃除が不可欠!

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さて、有高家では現在、きい(4歳・♀)、きいたろう(♂・3歳)、みく(5歳・♀)という3匹のネコが暮らしており、毎日がとっても賑やか。ネコ好きにとってはなんともうらやましい環境です。しかし、毛が抜けたりトイレの砂が散らかったり、何かと管理が大変なのもまた事実。

「そうでなくても、こういう古い木造住宅というのは汚れやすいんです。柱や天井などから木くずが出ることもありますし、ホコリも溜まる。窓のサッシや、部屋と部屋のあいだを仕切るサンの部分などは掃除もしにくいので、ちょっと油断すると大変なことになってしまいます。これからの季節はネコの毛が生え変わる時期なので、いっそう掃除が大変になりますね」

有高邸でルンバとブラーバを使ってみます。スイッチを入れると、すぐにフローリングの床を快走し始めた2つのロボットに、ネコたちがギョッとした顔で逃げ出します。物陰からその動きを注視するネコたちをよそに、ルンバは廊下からリビング、キッチンへと、順調に掃除を続行。10cmの高さがあれば潜り込めるので、家具の隙間や棚の下などにも次々に巡回していきます。これには奥様も「なかなか掃除が行き届かない部分なので、本当に助かります!」と大喜び。

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搭載した数十のセンサーによって部屋の情報を集め、40のパターンからそのつど適切な行動を選択するルンバ。ブラシによってかきだされたゴミやほこりは、ハイパワーモーターユニットによって強力に吸引。とりわけ汚れている場所は、重点的に掃除してくれるので、いつの間にか部屋中がピカピカに!

和風家屋とルンバの意外な相性の良さ

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有高邸の居間には、フローリングの上にカーペットが敷かれ、これまた手製のローテーブルが置かれています。テーブルの下はネコたちのお気に入りスペースであるため、抜け毛が溜まりやすい重要なお掃除ポイントのひとつ。しかし、この手作りのローテーブルはなかなか重量があり、「掃除のたびに動かすのが重労働だった」そうですが、もちろんルンバならお構いなしです。

「正直、ルンバがこれほど優秀とは思っていませんでした。うちは部屋と部屋の仕切りに少し段差もあるし、すぐにどこかでつっかえて動けなくなってしまうだろうと予想していたのですが......。高めの段差も、板を1枚置いておくだけで自在に昇り降りしてくれますし、本当に楽でいいですね。これなら、妻から『たまにはお掃除手伝ってよ!』と怒られることもなくなりそう(笑)」

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複雑な間取りが多い日本家屋。部屋と部屋のあいだの間仕切りに段差があっても、2cmまでの高さであればルンバは乗り越えて動きまわります。また、人工知能と高度なセンシング機能を備えているため、たとえば玄関や階段などの大きな段差も自力で検知し、落下を回避。さらに今回使用した「ルンバ880」では、オプション製品「お部屋ナビ」を活用することで、見えない壁を設定して行動範囲を限定したり、複数の部屋をひとつずつ順番に掃除してまわるなど、環境に合わせた使い方も可能です。

普段は閉めきっている有高さんの仕事部屋ですが、ネコが勝手に引き戸を開けて侵入することもしばしば。そこで、この機会に隅々まできれいにしてもらおうと、ルンバを投入。デスクの下をスイスイと巡回し、ゴミやホコリを一掃していきます。

日頃から奥様が頑張っているおかげもあって、基本的に隅々まで掃除が行き届いているように見える有高邸ですが、1時間ほど経ってからルンバのダストボックスを開けてみると、中からネコの毛を中心にホコリがどっさり。人の手の届きにくいところに、いかに汚れがたまりがちなのか、あらためて痛感させられます。

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「週の半分は撮影の仕事で東京へ出かけているのですが、これほどのクオリティで勝手に掃除をしてくれるなら、なんだか外出するのが楽しみになっちゃいますね。これから自作する家具は、ルンバが動きやすいようすべて10cm底上げして作るようことにしようかな」

ロボットとネコが共存する新しい生活風景

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一方、全面フローリング仕様にリフォームされている有高邸は、拭き掃除ロボット「ブラーバ」にうってつけの環境です。ルンバよりひとまわり小さなコンパクトボディは、日本の住宅事情にもマッチしており、吸気音がないためほぼ無音で稼働するのも嬉しいポイントでしょう。

ブラーバはから拭きだけでなく、水拭きにも対応。あらかじめソケット内に給水しておくことで、クリーニングパッドに水分を補給しながら掃除をつづけ、フローリング上のほこりや皮脂を拭きとっていきます。

「雨の日にネコがいつの間にか脱走していたりすると、あちこちに泥の足跡がついていることがあるんです。それらを拭いてまわるのに一苦労なのですが、ブラーバがあれば本当に楽になりますね。特にぞうきんがけの水拭き掃除まではなかなかやらないので、定期的にブラーバを使って水拭きしたいですね」

ブラーバは搭載したセンサーにより、動きながら室内をマッピングし、部屋の形状や家具の配置を正確に覚えるのも大きな特徴。付属の「NorthStar(ノーススター )™キューブ」を設置することによって、GPSのように正確な位置情報の把握が可能になり、部屋のどこを掃除しているか、次にどこを掃除すればよいかを判断するようになります。床全体の拭き掃除を終えると、ブラーバは自動的にスタート地点に戻ります。

最初はその動きを、恐る恐る遠巻きに眺めていたネコたちも、気がつけばルンバ&ブラーバの動きにすっかり慣れたようで、平常モードに。まるで有高家に新しい家族が増えたかのような錯覚を覚えます。

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▲有高さんの仕事部屋。作品と愛機たちが並ぶ。

「ルンバもブラーバも、動きが動物っぽいので愛着が持てますよね。ネコたちも思ったより怖がらないですし、うまく共存できそう。動画共有サイトでよく、ルンバがネコを載せて移動している映像を見かけますが、この調子ならそのうち我が家でも実現できるかもしれませんね」

ルンバとネコの共存。これもまた、新しいライフスタイルのかたちと言えるのかもしれません。

iRobot ロボット掃除機 ルンバ 公式サイト

iRobot 床拭きロボット ブラーバ 公式サイト

(文/友清哲、協力/有高唯之、写真/山田優李)