毎年恒例、個人事業主を悩ませる確定申告の申請期限は3月16日(月)、元旦から数えるとわずか75日。この時期は「個人事業主 会計ソフト」といった検索ワードで、ライフハッカーへの流入も急激に増える時期であります。

個人事業主の確定申告界隈では、2013年にアカウントアグリゲーションサービスと連動したり、OSを選ばず利用できたりする、本格的な「クラウド型」の確定申告サービスや個人向け会計ソフトが登場しました。その利用者が一気に増えた2014年は、それら確定申告サービスの元年ともいうべき年でした。

一秒でも早く、確定申告を終わらせたい個人事業主へ

個人事業主である私も、毎年どうにかこうにか、確定申告を行っているわけですが、毎年やっているはずなのに、法令改正や、新たなジャンルの支出が生じるごとに「これどうすればいいの?」との悩みに直面します。こういう、締切を直前に控えた時期に限って。一般的な話であれば、Googleで検索すれば参考情報は見つかります。しかし、個人事業主は内容もバラバラですから、自分の事業ケースにマッチした情報は、Web検索ではなかなか見つかりません。やっと見つかった! と思ったら、いわゆるQ&Aサイトの「自信はないんですが...」といった書き出しで始まる回答だったりするわけです。まあ、何事も経験、と前向きに捉えることもできますが、どうせだったら本業に時間を費やしたいものです。

そんな、時間を費やしたくない確定申告準備にまつわる悩みをサポート力で解決してくれるというのが、個人事業主向け確定申告ソフト「MFクラウド確定申告(旧:Money Forward for BUSINESS)」。ちなみに、法人向けとしては同社の会計ソフト「MFクラウド会計」も用意されています。

今回は個人事業主である筆者が、本当にこの会計ソフトで会計業務で悩む時間を減らせるのか体験するとともに、そのサポート力を生み出す、理由と理念をインタビューにて伺いました。

一秒でも早く、会計ソフトの操作を終え、そして確定申告を終えたい個人事業主の方は、以下から続きをどうぞ。

チャットサポートを使ったら反応が「劇速」だった

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早速アカウントを作成してログイン。「入力・仕訳」「決算・申告」など、会計ソフトに触れたことのある人なら、難なく理解はできるメニューですね。そして入力する段になって「去年、どうやってたっけ?」と迷うわけであります。

去年の作業記録を残していない自分を悔やんで時間をつぶさないうちに、MFクラウド確定申告のサポートチャネルの一つ、「チャット」で聞いてみることにしました。ログイン後の画面右下に表示されている「チャットで質問する!」を開き、ライター稼業にありがちな質問を打ち込んでみます。

「原稿料などで、源泉徴収と振込手数料を差し引かれた額で入金された場合、どう入力すればいいのでしょうか」

(約1分後)

マネーフォワード:頂きましたご質問につきましては、下記のFAQをご参照頂けますでしょうか。

マネーフォワード:https://biz.moneyforward.com/faq/2#99

マネーフォワード:FAQ 請求に対して手数料と源泉が引かれて入金した場合の仕訳はどうすれば良いですか

マネーフォワード:源泉税については、事業主貸となります。

「FAQは頼りにならない」という社会的マイノリティーにありがちな経験則に従ったため、すっかり見逃してしまいました。たった1分で届いた回答はピンポイント。この通りに入力すれば疑問はあっという間に解決しました。後述しますが、チャットはマネーフォワードのサポートチームが人力で答えを返してくれています。的確で素早い返答がもらえるのは助かりますね。

ヘルプの項目にはFAQと並んで「カンタン確定申告ガイド」と題された専門ガイダンスもありました。順繰りに上から下へと読み進めると、確定申告の手順が理解できるようにまとめられています。こちらへ目を通すと、こんな解説が。

収入(売上)がわかるものを集めましょう

・支払調書(これがないと源泉徴収額の総額がわからないので必要です。収入の支払元から大至急取り寄せましょう)

個人事業主としてさまざまな会社とやりとりをしていると、中には支払調書を出してくれないところもあります。もののついでに、対処方法をチャットで聞いてみましょう。

「確定申告ガイドのステップ1のところで、支払調書を集める旨がありますが、支払調書が出ない会社があるのですが、その場合どうしたらいいでしょうか」

マネーフォワード:少々お待ちくださいませ。

(約5分後)

マネーフォワード:経理上、発行されました請求書等をベースに計算を行うことは可能ではございますが

マネーフォワード:税額に直接関わる証憑でもございますので

マネーフォワード:ご入手いただくか、それ以外の扱いについては、税務署等にお問い合わせ頂く必要があるものと考えております。

国税庁のタックスアンサーによると、「報酬を支払う側は、支払調書を翌年1月31日までに税務署へ提出する義務があり、必ず発行するもの」ではあるようです。ただし、支払先への提出義務については触れていないため、そこを踏まえてやんわりと先方に依頼するのがいいようですね。請求額から計算しての算出も、可能ではあるようです。

さて、準備も佳境に差し掛かる11月の伝票入力中に、昨年11月の酉の市で購入した熊手の領収証が。「これって経費になるのだっけ?」と、はたと手がとまったため、さらに質問してみました。

「酉の市の熊手の購入費用は、経費として計上しても問題ないでしょうか。問題ない場合、どの科目に該当するでしょうか」

(約1分後)

マネーフォワード: 申し訳ございませんが、経費計上の可否については、税務相談となりますため弊社ではお答えすることが叶いません。

申告書作成は、税理士免許が必要になるため、会計ソフト側で答えられない質問に対しては、その旨をスパッと回答してくれました。こういう疑問はひとまず保留しておいて、他の作業を進めるとしましょう。聞きたいことがハッキリしていれば、すぐに疑問が解消できたり、税務署や税理士へまとめて質問すればいいとわかるため、目の前の作業が進められるわけです。この即応性はチャットサポートのいいところですね。

チャットでのサポートとFAQのお世話になった感想は「劇速」。想像以上に速かったため「超優秀な自然言語検索による、オールマイティー検索」のような感覚で使えます。ここまで速いと、気になるのはスピード対応を行っているその内側。それをチャットで聞くのはさすがに気が引けたため、ユーザーサポート担当者へ、直接聞いてみることにしました。

ユーザーサポートの責任者である、COOにインタビュー

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今回、取材に対応いただいたのは、株式会社マネーフォワードCOOの瀧俊雄さん。ユーザーサポートの責任者であり、同社が展開する家計簿サービス「マネーフォワード」のサポート対応では、1年間に1万5千通の返答メールを一人で返したという、まさに、マネーフォワード社のサポートを一手に統括している人物です。

MFクラウド確定申告の開発を手がけるプロダクトマネージャーは、会計士資格を持つエンジニア。社内には、3名の会計士資格を持つスタッフが、会計ソフトのプロダクト開発にコミットしています。会計のプロでもあるエンジニアがサービス設計で心掛けているのは、「経理簿記経験有り」という軸と、「ITリテラシー有り」という軸のうち、どちらか一方だけでもあれば、MFクラウド確定申告を使うともう一方のリテラシーが必ず上の方に引き上げられることだと言います。

加えて、膨大なサポートを担当した瀧さんによれば、「お客さまに使ってもらえる会計ソフトにするには、経営側がUX(ユーザーエクスペリエンス)に対して責任を持つしかないとの考えに基づいて、経営者がサポートを行うのは当たり前のことだと捉えていた」とのこと。マネーフォワードが提供する会計ソフトにおいて、「税理士マターのため、回答できません」ということはあれども、「別料金のため、回答できません」とならないのは、そういった思想的な背景があるのです。

言い換えれば、「会計リテラシーがないと、迷ってしまうのは避けられないため、サポートを充実させる」のではなく、「ITリテラシーに基づく操作ができれば、迷わずに確定申告ができる会計ソフトにするためのサポート設計」に基づいているわけですね。

チャットサポートが受け持つのは「何が不明か、わからない」という疑問の即時解消

MFクラウド確定申告では、チャット、メール、FAQ、電話という4種類のサポートを、追加費用不要の標準サービスとして備えています。中でも、先ほど私が利用したチャットサポートでは、レスポンスの速さが印象的でした。その速さの源は蓄積されたサポート事例。

「個人事業主のユーザーが悩むところは、割と似通ったところ。たとえば『クレジットカードでの経費支払をどう記帳すればいいか』などは、一日に10件から20件も来る問い合わせなのです」(瀧さん)。蓄積された回答のナレッジの中でも、一般的な事例として解説できるものは、FAQとして逐次公開しています。その結果、「答えのあるところへの適切な案内」に徹する、数分でレスポンスが来るサポートを実現しているわけです。

また、サポート以前に、会計ソフトとしてユーザーを迷わせない設計にも注力していると言います。項目の用語や操作についての解説は、ポップアップで操作の途中ですぐに参照でき、FAQではパワーポイントなどのスライドをウェブ上で共有できる「SlideShare」を使った解説を配置したり、番号に従って進められるようになっています。

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「もし『迷った』と感じたら、すぐチャットで問い合わせしていただきたいです。探す時間をこちらが受け持つことで、ユーザーには『どこに聞くべきか』と考える時間さえも短縮してほしいのです。対人対応の最大のメリットは『わからないことが、わからない』という疑問を短時間で解消できることですから」(瀧さん)。

より速く回答をもらうためにできること

個人事業主の皆様へライフハッカーから贈る「質問テクニック」としては、お互いにゴールが見えない状態ですと、余計に時間が掛かってしまうので、「使い方ガイド」「カンタン確定申告ガイド」「FAQ」を見たうえで、「ガイド、またはFAQのどこを見て迷ったのか」を最初に伝えておくと、かなり対応速度が変わってきます。

また、単発の質問であればチャット、複数事項をまとめて質問するときはメールなどと、使い分けるのも効率化になります。FAQはジャンルごとに、同ページにQとAがまとめられているので、ページ内の検索機能で探すと便利ですよ。

サポートに繋がりやすい曜日・時間は「真ん中」

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最後に、ライフハッカー読者向けに、すぐ役立つ情報を。「問い合わせが集まりやすい時間帯はあるか」を聞いたところ、「週の初めと終わり、一日の初めと終わりに、問い合わせが多くなる傾向がある」とのこと。つまり、週の真ん中の水曜や木曜の、お昼から午後にかけてが、問い合わせが少なくなるタイミングだそうです。

サポート業務は、お昼休み時間帯も連続して対応しているので、「午前も午後も打ち合わせが入って、お昼休みくらいしか時間が取れない!」といった、商売繁盛な個人事業主にありがちなジレンマも解決できますね。そのようなときには、移動の合間でも利用できる電話サポートが便利です。

「劇速サポート」が目指すのは「確定申告完了までの最短ルートを案内すること」

瀧さんの話を伺って理解できたのは、MFクラウド確定申告におけるサポート部門は、コストセンターではなく、UXを最大化する道筋の上で、あらかじめ設計された機能として位置付けられていることです。それが「経営者がサポートを行うのは当然」との言葉に込められた考えだといえるでしょう。ITリテラシーのある人ならば、ゼロから手取り足取り教えるサポートとは一線を画し、最もスピーディーに目的の情報に誘導され、「確定申告を早く終わらせる」「本業に充てる時間を増やす」というゴールへ到達できるか追求している会計ソフトを選ぶ、というのがこれからのポイントになりそうですね。

「サポートが手厚い」という謳い文句は、会計ソフトの操作に不慣れな個人事業主にとってうれしい言葉ではありますが、「付加価値として利益を生み出すためのサポート」か、それとも「最短ルートを示して確定申告の時短を目指すサポート」なのかは、利用してみないとわかりません。MFクラウド確定申告のサポートは、無料アカウントでも制限なく利用できますので、私も体験した「劇速のサポート」をぜひ一度試してもらえればと思います。

確定申告にかける時間を、会計ソフト選びによって一秒でも減らしたい人には、特にオススメです。

確定申告ソフト「MFクラウド確定申告」(個人事業主向け)

会計ソフト「MFクラウド会計」(法人向け)

(常山剛)