新しいプロジェクトをはじめる時に必要になるアプリはたくさんあります。ライフハッカー[日本版]ではこれまで、EvernoteRemember the Milkといった個人の生産性を向上するツールを紹介してきました。一方、個人単位ではなくグループ単位での生産性向上のために必要となるのがグループウェアです。グループウェアを入れると、クローズドな場を複数人で共有することで、ファイルやタスク、スケジュールの共有が簡単になります。

ライフハッカー[日本版]編集部も、あるプロジェクトを立ち上げるにあたり新しくグループウェアを導入することになりました。

ライフハッカー的には、低コスト(できれば無料)で使い勝手が良いものを選びたいところ。私、編集部の安齋は今回グループウェアを検討する担当となり、有償・無償問わずさまざまなグループウェアを調べることにしました。

そして編集部検討会議で、私が実際に使ったことのある以下の3つのグループウェアを提示しました。

Photo by mkosut.

 

Google Apps for Business

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まずは編集部が現在使用しているグループウェアから。「Google Apps for Business」は、GmailやGoogleドキュメント、Googleカレンダーなどが独自ドメインで利用できます。操作方法も通常のGmailやGoogleカレンダーと同じなので、新しく操作を覚える手間を省けます。

ただ、すでにかなり利用しているため、編集部のほかのタスクと混ざってしまうのが難点。Googleカレンダーは予定が重なると見づらくなってしまいます。編集部のカレンダーのキャプチャーは以下の通りです(クリックすると拡大します)。新しいプロジェクトなので、できれば他のグループウェアを使って新しく管理したいところです

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また、Gmailで議論をすると、スレッドが乱立する恐れがあり、とても見づらくなります。私が編集部で使っているGmailの画面キャプチャは以下の通り(クリックすると拡大します)。これ以上メールが増えるのは考えものです。

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ちなみに「Google Apps」は無料ですが、新たにドメイン取得が必要になります。短期のプロジェクトのために、わざわざドメインを取得するのも手間がかかりますし、そこまでするならほかのグループウェアを検討したほうが良さそうです。


Facebook

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次の候補は「Facebook」。ご存知、世界で最も普及しているソーシャルネットワークです。ユーザーが多いということは、社内だけではなく社外の人とのやりとりにも使いやすいといえます。また非公開グループを作ることができるので、プロジェクトごとにグループが作れます。

ただ、検索精度が低い点が問題。日本語で検索して出ないにも関わらずアルファベットで入力すると出てくる、という経験をしたことのある方も多いと思います。

また、ウォールにあげられるのは画像だけで、ドキュメントを添付できません。共有するには、Microsoft製の「Facebook用Officeアプリ」のような他のツールを利用する必要があります。

実際にグループを作ってみましたが、書いた内容が時系列でしかソートされないなど、いまいち使い勝手が良くない印象を受けました。よって、ビジネス用として運用するのは難しそうです。


サイボウズLive

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次は私がプライベートで使用している「サイボウズLive」です。サイボウズLiveは、グループウェアに必要な「ファイル共有」や「タスク管理機能」など一連のツールが揃っているのが特徴。プロジェクトごとにグループを作れるので、プロジェクトが並行して進んでいるような場合に役立ちます。

また、このサービスは20名までなら無料で参加でき、しかもグループを「無数に」作れます(2012年1月末までは100名まで無料)。今回の編集部のプロジェクトでは、十分すぎるくらいです。新規投稿やアップロードなどを知らせるアラートもメールで来るので、常にサイボウズにログインしていなくても大丈夫です。

短所としては、上記2つとは違い、全員が新しくアカウントを作る必要があるということ。また、データ保存容量も500MBまでなので、大きなファイルをアップロードしすぎると、すぐ上限に達してしまう可能性があるということです。

また、スマートフォン用サイトがあるものの(下図)、サイボウズLIve用のアプリがありません。オフラインで作業をしたい時に使えないので、できれば専用アプリが欲しいところです。

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以上の3種を編集部内で比較検討したところ、

「Google Appsは個人でも家族内で利用しているが、利用可能な人数も少なく、今回のように不特定多数に使うのは使いづらいと思う」(常山)

「スマートフォンを使っていないライターさんもいるので、ガラケーでも使える必要がある。また、各連載記事や場所の選定など、細かなタスクを分担できるようグループ化したい」(松井)

「今回のプロジェクトは複数のタスクを並行して行うので、サイボウズLiveのように複数グループで同時にタスク管理ができるのは便利だと思います」(安齋)

との意見が出され、その結果プロジェクトに必要な情報を簡単に共有でき、さらにスマートフォンでもガラケーでもアクセスできる、という点からサイボウズLiveを採用することになりました。

私がすでにサイボウズLiveを使っていたこともあり、さっそくほかの編集部のメンバー(常山・松井)に使用方法を共有し、プロジェクトのタスク管理を開始しました。

ところで、冒頭からずっと言及していない「あるプロジェクト」とはいったい何なのか

それはズバリ、ライフハッカー[日本版]3周年を記念イベント、「Night School」というイベントの企画準備です!

NightSchoolとは、米Lifehackerで連載されていた、夜間の連載記事シリーズです(米Lifehacker記事はこちら)。内容は主に、PCユーザー向けのテクニックを紹介するものでした。

日本版ではもう少しアナログなジャンルにも範囲を広げ、「みんな気づいてないけど、知っているとちょっと人生が豊かになるテクニック」をお送りします。

現在計画中の講座は、「ヨガ講座」、「ノマドワーキング講座」、「資産運用講座」などなど、盛りだくさんの講座をご用意していますので、お楽しみに。

さて、次回もプロジェクトの準備の模様をお伝えしていきます。グループウェアを使った講師陣との調整やタスク管理は果たして成功するのでしょうか? 乞うご期待!

(安齋慎平)